顎・顔面・歯列矯正

顎・顔面・歯列矯正

 顔はその人の人柄や、知性、感情、健康状態を反映しています。一般的に顔面の変形や歯ならびに異常のある方は他人から顔を見られることに対してコンプレックスを持っており、これらを改善できたときの喜びは、はかり知れないものがあります。最近ではマスメディアの浸透により顔やスマイルに対する関心や、歯ならびとともに顎、顔面に対する関心も高まっていることから、今後、顎変形症の治療を希望する方が増加していくものと考えています。

 厚生労働省は顎の手術を必要とする顎変形症患者に更生医療として"保険"適用を認めており、患者さんにとっては治療を受けやすい環境ができています。顎変形症の治療は
  • 手術前の矯正歯科治療
  • 顎矯正手術
  • 手術後の矯正歯科治療
の順に行います。1, 2, 3は保険適用され、2の顎矯正手術は高額医療制度が適用されますので、患者さんの負担はかなり軽減されます。
 当病院は1998年10月に更生(育成)医療指定機関(現在は障害者自立支援ならびに顎口腔機能診断料算定の指定機関へ改称)として指定を受け、顎矯正手術だけでなく、手術前・後の矯正歯科治療も保険適用が認められた医療施設になっております。

 小児期から成人にいたる不正咬合の歯列矯正治療とともに顎・顔面の変形に対する治療体系を確立するため"顎・顔面・歯列矯正部門"を設立し、矯正歯科専門医、口腔外科専門医、麻酔専門医、歯科麻酔専門医が常時、治療にあたっています。
 小児期から成長期にある患者に対しては成長発育に悪影響をおよぼす歯列不正の改善、悪習癖の除去、筋機能訓練や上下顎骨の成長コントロールを行ない顎変形症への移行を予防する歯列矯正を行なっています。さらに、先天異常、上顎前突、下顎前突、開咬、顔面非対称など顎変形症の治療も行っています。最近の傾向として顎の変形が著しい症例に対して上下顎同時移動術が増加しています。
 著しい顎変形が認められる症例では三次元表示CTやモデルサージェリーなどを応用して立体的な顎・顔面形態の異常を把握し、各症例に適応した的確な歯列矯正や外科手術を行っています。
 外科手術は顔面に皮膚切開を入れることなく口腔内から行ない、上下顎骨を三次元的に移動させることができます。

歯列矯正の料金について

検査・診断料
パノラマX線写真、頸部X線規格写真、顔面写真、口腔内写真、咬合模型等、歯列矯正のための診断資料を採取します。
成長・発育に伴い必要に応じて検査・診断を行いますが、費用は最初の1回のみです。
検査料:22,000円
診断:44,000円
部分矯正
1本~数本のみの矯正をおこなう方法です。
110,000~330,000円
メタルブラケット矯正(マイクロアーチ)
メタルブラケットという金属の装置を使って歯列を矯正します。一般的な矯正方法ですが、金属が目立つデメリットがあります。
528,000円
クリアブラケット矯正(クリスタブレース7)
審美ブラケットのひとつで、ガラスと同等の透明性を持つ装置を使って歯列を矯正します。メタルブラケットに比べると目立ちにくくなっています。
セラミックブラケット矯正(クリスタライン7)
審美ブラケットのひとつで、歯に近い色を持つ装置を使って歯列を矯正します。メタルブラケットに比べると目立ちにくくなっています。
638,000円~693,000円

※税込価格表示です。
※料金は目安です。個人のお口の状態によっては変更になる場合がございますのでご了承ください。

歯列矯正Q&A

  • 歯並びやかみ合わせが悪いと、どうしていけないのでしょうか?

    一般的に歯並びやかみ合わせが悪いと食物をかみ切れないため胃や腸に負担がきたり、歯磨きが十分にできないのでむし歯や歯周病にかかりやすくなります。
    また、歯並びやかみ合わせが悪いと顔の変形を招き、コンプレックスの原因にもなります。
    正しいかみ合わせを作ることによって口の中の病気を予防したり、食べ物がよくかめるようになったり、発音を明瞭にしたり、また顔貌や口元がよくなることによって審美的なコンプレックスを解消して心身ともに健康を増進させるのが矯正治療の目的です。

  • 矯正治療はいつ頃から始めたらいいのでしょうか?

    乳歯が抜けて永久歯に生え代わる頃がいいのですが、大人になってからでも治療することができます。
    上あごや下あごの成長に問題がある場合は早く始めた方がいいのですが、不正咬合の状態によって様々ですので、歯科医師に相談されることをおすすめします。

  • 矯正治療期間はどれ位かかりますか?

    一般的には月1~2回の通院で1~2本の歯なら3~6カ月、永久歯がはえそろった成人なら2~3年、成長期にある子供の場合は骨の成長や歯の生え変わる期間を考慮して7~8年かかることもあります。
    治療後、かみ合わせが安定するまで少なくとも1~2年の保定が必要ですが、患者さんによっては数年の観察が必要なこともあります。

  • 歯を抜いて治療すると聞いたのですが?

    歯を並べる上あごや下あごの土台が狭いと並べるべき歯が押し込められた状態になり、乱杭歯や八重歯になります。
    あごの土台の大きさに合うように歯の数を調整するため第1小臼歯の抜歯が行われています。上顎前突や下顎前突の治療のために抜歯をすることもあります。

  • 治療中、歯の痛みはあるのですか?

    ワイヤーやゴムなどの力を利用して正しい位置に歯を動かすのが矯正治療です。
    歯が引っ張られたり、押されたり、浮くような違和感や不快感があります。歯を正しい位置に動かしている途中で今までかまなかった歯がかむようになると瞬間的に痛みが出ることがあります。
    個人差がありますが、治療を受けてから2-4日でおさまります。

  • 八重歯は治さなければいけないのですか?

    ひと昔まで「八重歯はかわいい」といわれた時期がありました。
    八重歯は不正咬合の一つですが、歯並びが悪いという審美的な理由だけでなく、前歯でかみ切りにくい、奥歯でお肉をかみこめない、唇が八重歯に引っ掛かってうまく閉じられないという実生活での不便さや、でこぼこしているので歯がきれいに磨けない、むし歯や歯周病の病気にかかりやすいという口腔衛生上の理由から矯正治療を受ける人が増えています。

  • 下あごが出て、顔が変形しています。治療できますか?

    下あごが長い場合は歯列矯正だけでは間に合わないので手術で下あごを顔のバランスがとれる理想的な位置に引っ込めて治します。
    手術前後に歯列矯正して下あごを動かした後の歯並びやかみ合わせを整えます。
    手術前の矯正治療に1~2年、下あごを動かす手術が入院をふくめて10~14日、手術後の矯正治療が半年~1年要します。
    当院は歯科矯正の更生・育成医療機関に指定されており、あごの手術を前提とした矯正治療とあごの手術は健康保険が適用されます。

  • 不正咬合を放っておくとどうなりますか?

    歯並びが悪いとかみ合わせが悪くなり、食べ物がかみ切れず消化が悪くなり胃腸に負担がかかってきます。
    歯ブラシが届かないためきれいに磨けないのでむし歯や歯周病の病気がひどくなります。
    かみ合わせのずれが成長発育中の上あごや下あごの骨や筋肉に影響をおよぼして左右対称であるべき顔のバランスがくずれたり、肩こりや頭痛、顎関節症を起こすといわれています。
    このように不正咬合は放っておいても治るものではありません。
    不正咬合に気がついたら歯科医師に相談することをお勧めします。

矯正歯科治療のリスクや副作用について

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期問が延長する可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期問に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のりスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、エナメル質に徹小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  • あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

ホワイトニング

(1)クリーニング
コーヒー・紅茶・タバコによる歯の表面の汚れはなかなか普通の歯磨きでは落ちません。 歯科医院では特別な器材を用いて歯の汚れや歯石を取り除きます(クリーニング)。 ただし本来の歯の色には戻りますが、それ以上白くすることはできません。
(2)ホワイトニング
変色した歯を削ることなく、ダメージを極力与えずに白く美しい歯にすることができます。 ホワイトニングにはオフィスホワイトニング(歯科医院でのホワイトニング)、ホームホワイトニング(自宅で行うホワイトニング)がありますが、当院ではオフィスホワイトニングを行っています。

オフィスホワイトニング

歯科医師による十分な歯のチェックの後、歯肉をプロテクトしながら歯面にジェルを塗ります。そしてジェルを活性化させる光を当てます。
時間は約2時間で終わります。効果の持続期間は飲食習慣や変色の原因により個人差がありますが、通常数ヶ月維持できます。
より長く白い歯を維持するためには定期的なホワイトニング(タッチアップ)をお勧めします。

ホワイトニングの料金について

ホワイトニング 上下12本
 44,000円
2回コース
 66,000円
タッチアップ(3回目以降) 11,000円

ホワイトニングのリスクや副作用について

  • 次の症状のある方はホワイトニングを受けられない、効果が得られない場合があります。

    • 妊婦、授乳中の女性
    • 歯がしみる(知覚過敏)
    • 虫歯がある
    • 歯の表面が削れている(咬耗、磨耗)
  • ホワイトニング治療は個人によりその効果が異なりますので、すべての方が必ずしも現在の状態から改善されるという保証はありません。変色の原因によっては色調の改善が見込めないこともあります。
  • エナメル質、象牙質形成不全症、テトラサイクリン変色歯は思ったほどの効果が得られないことがあります。
  • ホワイトニングにより、知覚過敏、歯肉の灼熱感、粘膜の潰瘍、歯の痛み等が生じることがまれにあります。これらの大部分は一時的なもので、通常数日で治癒します。
  • すでに知覚過敏の傾向がある場合、ホワイトニングを行うことでさらに症状悪化することがあります。
  • 通常、ホワイトニングにより、神経のある歯の色調は明るく変化します。しかし、充填物(つめもの)、補綴物(かぶせもの)の色調は変化せず、神経のない歯も変化は小さくなります。

ホワイトニング後のケアについて

  • 歯の表面を覆っている被膜(ペリクル)は、ホワイトニングで除去され、12時間から24時間かけて再生されます。再生するまでは色の濃い食べ物、飲み物は控えてください。
  • オフィスホワイトニング後24時間は禁煙してください。
  • オフィスホワイトニング後24時間はコーヒー、お茶、コーラ・ジュース類、色の濃い野菜・果物、口紅などは避けてください。
  • オフィスホワイトニング後24時間以内は米、パン、色の薄い野菜・果物(大根、芋など)、牛乳、白身魚(醤油なし)などを食されるようお願いします。

顎関節症への対応

大きく口を開けたり、閉じたりする時に「カクッ」と音がしたり、痛みを伴ったり、口が開きづらいといった症状の経験はありませんか?それは、「顎関節症」の可能性があります。
顎関節症は、大きく以下の5つに分かれます。

  • 咀嚼筋痛障害(Ⅰ型): 咀嚼筋が痛む、筋・筋膜性疼痛症候群など
  • 顎関節痛障害(Ⅱ型): 顎関節が痛む
  • 復位性顎関節円板障害(Ⅲ型): 口を開けたり閉じたりするときに「カクッ」と音がする
  • 非復位性顎関節円板障害(Ⅲ型): 口が開きにくい、あごが引っ掛かった感じがする
  • 変形性顎関節症(Ⅳ型): X線写真で骨の変形を伴う

原因はさまざまであり、食いしばりや偏咀嚼(片咬み)、急激なストレス、悪い噛み合わせ、あごの酷使(大きな口を開けた、硬いものを噛んだ)、外傷(あごを強く打った)といったものが多いと思われます。
治療法は、症状やX線画像の所見に応じて、以下のような治療を行っていきます。

  • 鎮痛剤や筋弛緩剤(筋の緊張を抑える薬剤)の処方
  • 筋のマッサージやストレッチ、マイオモニター(電気刺激で筋の緊張を和らげる)
  • マニピュレーション(徒手誘導法)といった理学療法
  • スプリント療法…マウスピースを使用して顎関節と咬合の安静をはかる
  • パンピングマニピュレーション…顎関節に注射を行い、内部の洗浄や薬剤の注入を行う

顎変形症に対する外科的矯正治療の推進

不正な咬み合わせに、顎骨の過成長、劣成長を伴う骨格的なものがあります。 例えば、上下の顎骨が前後的、あるいは左右的に調和がとれていない状態です。これらを顎変形症といい、具体的には骨格性の下顎前突(受け口)、上顎前突(出っ歯)、開咬(前歯が咬み合わない)、および顔面非対称があります。
不正咬合は審美的に劣るといったことや、咀嚼・嚥下・発音などの口腔機能障害、虫歯や歯周疾患の原因となるなど、問題をもたらします。このような場合の治療は歯列矯正治療だけでは治すことができせんが、外科手術を併用することにより、顎骨を調和のとれた位置に移動するとともに、咬み合わせおよび顔貌の改善を図ることが可能です。
これを外科的矯正治療と言い、手術は全身麻酔下で口腔内から行い、通常10日~2週間の入院が必要となります。
当院においては、この治療法を昭和51年から導入しています。
当院は更生医療指定機関ですので、このような顎変形症に対しては、手術、入院だけでなく、手術前・後の歯列矯正治療も健康保険が適用されます。健康保険の適用により本人の負担は2~3割となり、従来よりも経済的負担は軽減されています。ご質問などありましたらお気軽にご相談ください。